押花画・シルバーアクセサリー・グラスアート・とんぼ玉のアトリエ「まる工房」の代表・副代表が釣りや旅のことなど書いています。

大漁の話(その2)

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大漁の話(その2)

大漁の話の続きです。

第1話の最後に掲載した写真は、その日の釣果の一部。
クロダイ3枚のうち、左の1枚は釣友が釣ったもの。
あとの2枚は私が釣ったもの。
魚拓はお粗末だが、まぁ証拠品としての掲載。(笑)

大漁堤防
大漁現物


==大物をバラシタ(逃がした)話の続き==

大物をバラシタ瞬間、頭の中が真っ白になった。
『う~ん残念』 しばらく固まってしまった。
釣友は・・・と見ると、堤防の付けあたりを探っているらしい。
ヘッドランプが小さく揺れている。
『今、大物をバラシタんだよ!』と言っても信用してもらえないだろうなぁ。
わざわざ報告に行くのも癪だし…。
気持ちを切り替えて、ハリスと針を新しく取り替えた。
操作をしやすいように、今度はタモを肩にかけ、堤防中央近くまで戻って先端に向け、探り始めた。
しかし、頭の中はバラシタ時のことがいっぱいで、竿先に集中出来ない。
そのうち冷静になって状況を分析。
もう少し魚とのやりとりをして魚を弱らせばいいんだ・・・慌てないことだ。
基本的なことなんだが、普通は慌てるもの。

先端まで探っていったが、音沙汰なし。
再び、堤防中央から探りを開始。
今度は集中しているのが自分でも分かる。
リズムよく竿の上げ下げを繰り返し、先刻バラシタ所に来ると、竿先がふわっと軽くなった。
その途端、強烈なアタリ!
今度は、慌てないように、ぐっと腰を落とし、
魚とのやりとりを繰り返す。
そのうち、魚の抵抗が弱まり、魚が浮いてきた。
水面がほの白く光っている。
今度は慎重にタモをいれ、確実に掬い上げた。
左手だけでは、タモが持ち上げられない。
竿を堤防に置き、両手でタモを持ち上げた。
『ヤッターッ!』 と感激…。
今までにない大物。
スカリに入れるため、付け根に移動。
休んでいた釣友が腰を上げ、
『大きそうだね』 と言いながら近寄って来た。
『やったね!一匹ばらしたんだよ!そっちの方が大きかったかもな』と、つい余計なことを言ってしまう。
スカリに入れると、東電の常夜灯のかすかな光に、魚の腹が白く反応している。

釣友も探りを開始。
私も30分ほど余韻に浸って、再開。
釣友は外側を探り終え、先端から内側に回りこんでいた。
堤防中ほどですれ違った。
『どう~?アタリは。』 と私。
『ないな~外側は…。内側のクロメバルだけだね、アタルのは』と釣友。
お互い黙々と探りを繰り返す。
先ほど大物をしとめた所を丹念に探ったが、
アタリらしきものは無い。
先端から内側に回りこむ所は、流れが速くなる。
餌がその流れに乗ってすぐアタッタ。
引きは鋭い。
これはクロダイだと確信。
内側の流れが止まった所までやりとりし、タモで掬った。
釣れる時はこんなものだ…。運だな。
1㎏ちょっとかな…。
先ほどのような感激はなかったが。
魚を持って堤防付け根に移動。
『なに~。また釣ったの!』 と釣友。
『先端でね…運だよ。』と謙虚に返す。
気がつくと、空は白々と明け始めていた。
今日は、これで終わりにしようと暗黙の了解。
スカリを引き上げたが、その重いこと!
まるで綱引きをしてるようだ。
ごみを取りまとめてビニール袋に入れ、忘れ物がないかを確認してボートに乗る。
今日の釣果をカメラにおさめる。(第1話の写真)

海は穏やかで、大漁を祝ってくれている…そんな感じに思えた。
潮風を受けながら係留場所に向かう。
朝もやの久里浜港は静かだ。
振り向けば、ゆったり構えた東電の堤防が黒々と横たわっている。
開門橋をくぐり、ボートを係留して荷揚げにかかる。
実はこの作業が大変で、年寄りにとっては一苦労。
鉄柵に取り付けた長さ3m位の縄梯子をよじ登り、
1.5m強の鉄柵を乗り越える作業である。
私が先に上がり、共同で荷揚げを終えると、
それぞれが両手に荷物を持って車まで運んだ。
今日の釣果をざっと目算すると、
クロダイ3枚、クロメバル60数匹、カサゴ数匹…。
大漁だった。

我が家に帰ってから、実感した。
『釣りは、ほどほどに…。』 と。
釣った魚をさばくのが大変だったのである。


☆失敗談☆
我が家に帰って気がついた。
あの『ん万円』もした『さくらのへち竿』を、
平作川のどこかに置き忘れてきてしまった。
ボートから持ち出して、陸揚げしたのは覚えているが、
その先の記憶がない。
多分、鉄柵に立てかけて、他の荷物を陸揚げした時に、
竿のことは、すっかり忘れてしまったのだろう。
記念すべき竿を置き忘れるとは・・・残念!
勿論、もう一度、同じ江戸川竜を買った。
やはり『ん万円』だったが、
大漁の思い出を買ったと思えば安いもの…と痩せ我慢。(笑)

(記:副代表)

この記事のカテゴリーは「釣り日記」です。
釣り好きのまる工房副代表が、釣りの思い出を綴っています。
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